弓矢
昨年の年末。
僕はビジネスホテルにこもって、M-1グランプリを見ていた。敗者復活戦から。
単純に家にテレビがないし、なんとなく集中してみたかったからなんだが、敗者復活と言ってもどの組も面白いなあ、とか見ていて思ったのだが、1組笑いが止まらなく、「とんでもないコンビを見つけてしまった!!」と思ったコンビがいた。
ランジャタイである。欽ちゃんの仮装大賞というテーマの漫才だったのだが、すべてカオス。一つ一つが脈絡がなく、楽しい。国崎さんの声が好き。
まさしくテンションが高い時の僕の頭の中だ。あ、これを披露してるコンビがいる、ということで、勇気すらもらった。
それから、YouTubeで彼らの漫才をたくさん見た。
今のところ「弓矢」が好きだ。
なぜなら、1つ1つの要素が希望、「~したい」「~してもいい」というものだからだ。
まず、ぴゅっと弓矢を飛ばし、カーッと飛ぶ弓矢。弓矢打ちたくない?(打ちたい!!)
その弓矢が牛丼に刺さったっていい。
おばあちゃんやおじいちゃんがいたっていい。
ぶん回してぶん回して、雷が落ちてきたらよけたっていい。
このすべての肯定。直観の肯定。
これが全部たまらなく素敵だ。そしてその肯定のあいまに寸分の遠慮もない。すべて完結した肯定なのだ。そのすがすがしさ。たまらない。
その間ゆっくりパンツをはく。まるで達人の箸休めだ。
なにより笑顔で終わるところがよい。それが一番いい。終わりよければそれでよし。